2. 誕生
『始まりの分子』に宿った意思は、すぐに他の分子を支配し、それらを意のままに操るまでになった。これにより、もはや成長を必要とせず、虚無の闇に漂う無限の分子を介して、全てを見ることが可能であった。
この時『始まりの分子』は、初めてこの世に自己以外の存在が皆無であることに気づく----。
そして、その中に『創造を望む意思』と、『虚無の拡大を望む意思』の両方を宿したのである。この大いなる自己矛盾に耐えきれなくなった『始まりの分子』は、やがて2つに分裂した。
『創造を望む意思』は、自らを『アインハザード』と名乗り、ふくよかな胸と、しなやかで美しい曲線に飛んだ肉体を手に入れた。
一方、『虚無の拡大を望む意思』は『グランカイン』を名乗り、雄々しく強靱な筋肉で身を包んだのであった。
神話時代の始まりを告げる、神々の誕生である。